JavaScript UIライブラリ「Wijmo(ウィジモ)」は、AngularやReactなど様々なJavaScriptライブラリやフレームワークをサポートしています。その一方で、jQueryなどの外部ライブラリに依存していないため、WijmoだけでUIを作成することもできます。
この記事では、Wijmoの日付入力コントロールを表示するために最低限必要な処理を実装するサンプルアプリケーションを作成して、Wijmoの基本的な利用方法と機能を紹介します。
アプリケーションファイルの作成
まず、アプリケーションを構成する次の2つのファイルを作成します。
- index.html
- main.js
下記はindex.html
の一例です。
<!DOCTYPE html> <html> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>Wijmo基本サンプル</title> </head> <body> </body> </html>
Wijmoファイルの配置
次に、Wijmoの製品版またはトライアル版をダウンロードして、zipファイルに収録されているDist
フォルダをindex.html
と同じ階層にコピーします。また、必要に応じて、Dist
フォルダをwijmo
などの認識しやすいフォルダ名に変更します。
Wijmoファイルの参照
Wijmoは、グリッド、入力、チャートなどの機能単位でいくつかのモジュールに細分化されています。必要なモジュールだけを参照することで、読み込み速度やメモリ使用量などのパフォーマンスを最適化することができます。
日付入力(InputDate
)コントロールを表示するには、HTMLファイルで次の4つのファイルを参照します。
ファイル名 | 説明 |
---|---|
wijmo.min.css | Wijmoコントロールのスタイルが定義されたCSSファイル。 |
wijmo.min.js | wijmoモジュール。Wijmoの共通機能を提供します。 |
wijmo.input.min.js | wijmo.inputモジュール。入力コントロール機能を提供します。 |
wijmo.culture.ja.min.js | 日本語カルチャファイル。コントロールを日本語で表示する場合に必要です。 |
ここでは、index.html
の<head>
に次のコードを追加します。
<head> : <link rel="stylesheet" href="wijmo/styles/wijmo.min.css" /> <script src="wijmo/controls/wijmo.min.js"></script> <script src="wijmo/controls/wijmo.input.min.js"></script> <script src="wijmo/controls/cultures/wijmo.culture.ja.min.js"></script> </head>
読み込む必要のあるモジュールファイルは、コントロールによって異なります。また、トライアル版の場合はCDNのファイルを参照することもできます。詳細は製品ヘルプを参照してください。
コントロールの作成
WijmoはTypeScriptで開発されているため、名前空間(例:wijmo.input
)、クラス(例:InputDate
)、プロパティ(例:selectionMode
)、列挙型(例:DateSelectionMode.Day
)などの機能を利用可能で、読みやすいコーディングとコーディングミス削減に役立ちます。
Wijmoコントロールを作成するには、index.html
の<body>
にコントロールの元になるdiv
要素を追加して、id
属性を設定します。また、<body>
の最後に<script>
を追加して、main.js
を読み込みます。
<body> <div id="inputDate"></div> <script src="main.js"></script> </body>
次に、main.js
でInputDate
クラスのインスタンスを作成します。コンストラクタの引数には、div
要素のid
属性を指定します。また、selectionMode
プロパティを設定します。このプロパティは列挙型なので、数値でなくDateSelectionMode.Day
という列挙型の値を設定することができます。
var inputDate = new wijmo.input.InputDate('#inputDate'); inputDate.selectionMode = wijmo.input.DateSelectionMode.Day;
(オプション)TypeScript型定義ファイルの参照
オプションで、main.js
の先頭にWijmoのTypeScript型定義ファイルを参照することもできます。このコードを追加すると、Visual Studio Codeなどのエディタで、入力補完(IntelliSense)機能を利用したり、型情報を確認することができます。
/// <reference path="wijmo/controls/wijmo.d.ts" /> /// <reference path="wijmo/controls/wijmo.input.d.ts" />
例えば、Visual Studio Codeで今回のコードを記述すると、次のようにコーディングに役立つ機能を利用することができます。
inputDate
という変数名の次にドット「.」を入力すると、InputDate
クラスのメンバーの一覧が表示されます。- 続けて
sele
と入力すると、sele
を含むメンバーが絞り込まれます。 - 上下キーを押すと、選択されたメンバーの情報がツールチップで表示され、TabまたはEnterキーを押すとメンバー名が入力されます。
なお、旧世代のUIライブラリにはjQuery UIをベースに開発されたものもありますが、このようなUIウィジェットでオプション(プロパティに相当する機能)を設定するには、次のようにメソッドを実行して引数にオプション名を文字列として指定する必要があります。そのため、入力補完機能を利用したり、型情報を確認することはできず、コーディングミスを引き起こしやすいという弊害があります。
変数名.ウィジェット名("option", "オプション名", 値);
まとめ
以上でサンプルアプリケーションの作成は完了です。index.html
ファイルを開くと、日付入力コントロールが表示されることを確認できます。
Wijmoは外部ライブラリに依存しておらず、それ単体で利用できるように設計されているため、次のようにごくわずかなコードを記述するだけで高度なUIを作成することができます。
- WijmoのJSファイルとCSSファイルへの参照を追加します。
<div>
タグを追加します。- UIコントロールを作成/設定するコードを追加します。
Wijmoのトライアル版をダウンロードして、最先端のJavaScript UIライブラリをお試しください。