.NET Core版Windows FormsでInputManを使う

既にご存知の方も多いかと思いますが、.NET Core 3.0からWindows FormsとWPFをサポートするようになりました。グレープシティでも.NET CoreとVisual StudioのアップデートにあわせてWindows FormsおよびWPF製品の対応を進めている状況です。

本記事では.NET Core版Windows FormsアプリケーションでInputMan(インプットマン)を使用する方法について紹介します。

はじめに

「あれ、ちょっと待てよ?.NET Core版Windows FormsってVisual Studioのフォームデザイナがまだ対応してないんじゃ???」

いい質問ですね、その通りです。2020年3月の時点では以下の状況になっています。

  • Visual Studio 2019 Previewでのみフォームデザイナが利用できるようになっています。
  • このプレビュー版フォームデザイナでは標準コントロールのみ対応しています。つまり、グレープシティのようなサードパーティー製のコントロールにはまだ対応していません。

「フォームデザイナ使えないの…?じゃあ、ダメじゃん!!まさかコードビハインドでゴリゴリとコードで設定させる気か…!!!」

いいえ。それも方法としてはアリなのですが、やっぱりフォームデザイナでポチポチとコントロールを貼り付けて開発したいですよね。それがWindows Forms開発の醍醐味ですし。そこでグレープシティはとっておきの魔改造した方法を紹介します。

用意するモノ

InputManPlus for Windows Forms 10.0J Update 5では、以下の記事で紹介したように.NET Core版Windows Formsに対応しています。

フォームデザイナを使用する方法

この手順で何をしているのか?

簡潔に言うと「.NET Core版Windows Forms」と「.NET Framework版Windows Forms」を共存させて、「.NET Framework版Windows Forms」のフォームデザイナを使用して「.NET Core版Windows Forms」のフォームをデザインできるようにします。

「…ちょっと何言ってるか分からない。」

そんな方でも以下の手順に沿って作成すれば、フォームデザイナを使って.NET Core版Windows Formsアプリケーションを開発できます。

.NET Core版Windows Formsを作成

はじめにVisual Studio 2019でWindows Forms(.NET Core)アプリケーションInputManWinAppを作成します。

Windows Forms(.NET Core)アプリケーション

Windows Forms(.NET Core)アプリケーション

.NET Framework版Windows Formsを追加

次に先程作成したInputManWinAppにWindows Forms(.NET Framework)アプリケーションInputManWinFwを追加します。

Windows Forms(.NET Framework)アプリケーション

Windows Forms(.NET Framework)アプリケーション

ここまでで以下の構成になっているハズです。

Windows Forms(.NET Framework)アプリケーション

名前空間を合わせる

追加したInputManWinFwのプロジェクトのプロパティを開いて「規定の名前空間」をInputManWinAppに設定します。

名前空間を合わせる

Program.csを開いて名前空間をInputManWinAppに設定します。

名前空間を合わせる

Form1.csを削除して再度追加する

まずInputManWinAppInputManWinFwにあるForm1.csをそれぞれ削除します。

Form1.csを削除して再度追加する

次にInputManWinFwに再度Form1.csを追加します。

Form1.csを削除して再度追加する

Form1.csをリンクとして追加する

InputManWinFwForm1.csを、InputManWinAppに「リンクとして追加」します。

Form1.csをリンクとして追加する

NuGetパッケージを追加

InputManWinAppにInputManのNuGetパッケージGrapeCity.Win.Editorsを追加します。

NuGetパッケージを追加

InputManのNuGetパッケージは以下で公開しています。

さらにProgram.csMainに以下を追加します。

System.Text.Encoding.RegisterProvider(System.Text.CodePagesEncodingProvider.Instance);

InputManのコントロールを配置

Visual StudioのツールボックスにInputManのコントロールを追加します。

InputManのコントロールを配置

InputManのコントロールを配置

ツールボックスからGcDateGcNumberInputManWinFwForm1.csにフォームデザイナで配置します。

InputManのコントロールを配置

license.licxをコピー

InputManWinFwにあるlicense.licxInputManWinAppにコピーして以下の内容に更新します。

GrapeCity.Win.Editors.GcDate, GrapeCity.Win.Editors.NetCore.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12
GrapeCity.Win.Editors.GcNumber, GrapeCity.Win.Editors.NetCore.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12
GrapeCity.Win.Editors.GcShortcut, GrapeCity.Win.Editors.NetCore.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12

ここがハマるポイントなんですが、license.licxに記載する内容は.NET Core用のライセンス情報になります。

以下のような.NET Framework用のライセンス情報のままだったり、ビルドアクションが埋め込みリソースに設定されていないと、実行時にライセンスのエラーが表示されるので注意してください。

GrapeCity.Win.Editors.GcDate, GrapeCity.Win.Editors.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12
GrapeCity.Win.Editors.GcNumber, GrapeCity.Win.Editors.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12
GrapeCity.Win.Editors.GcShortcut, GrapeCity.Win.Editors.v100, Version=10.0.4005.2012, Culture=neutral, PublicKeyToken=0ce01a33ce55ca12

実行してみる

デバッグ実行してみます。

実行してみる

InputManのカレンダー入力や電卓入力も問題なく表示されます。

実行してみる

実行してみる

InputManのサンプルとヘルプ

InputManPlus for Windows Forms 10.0J SP5で追加されたサンプルは、ソリューション内に今回紹介したような.NET Core版と.NET Framework版のWindows Formsプロジェクトを持つ構成になっています。

また、製品ヘルプでもフォームデザイナを使用する方法についてコンテンツを追加しています。

サンプルとヘルプ、どちらも参考になるかと思います。

まとめ

若干長めの手順ではありますが.NET Core版Windows Formsを調査する段階で、グレープシティの.NET Core対応製品の動作を確認する際の参考にしていただければと思います。

本記事の内容は、Visual Studio 2019のアップデートでフォームデザイナが正式にリリースされ、サードパーティー製のコントロールに対応すれば必要なくなると思われますが、引き続き動向をウォッチし最新情報をお伝えしていきます!

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