帳票開発ツールの新星「ActiveReportsJS」とは何か

新製品「ActiveReportsJS(アクティブレポートJS)」を発表しました。発売日は2019年12月11日(水)です。

ActiveReports(アクティブレポート)」といえば.NET環境向けの帳票開発ツールとして、長年開発者の皆様に愛され続けてきた製品ですが、そのActiveReportsと同じ名を冠するこの新製品は一体どういった製品なのでしょうか。少しだけご紹介したいと思います。

ActiveReportsJSとは

ActiveReportsJSは、帳票を出力するWebアプリケーションを開発するためのJavaScriptライブラリです。

帳票の外観デザインの設定からデータの接続、印刷、PDFやExcel形式への出力まで、Webアプリケーションの帳票開発に必要なあらゆる機能を備えています。

新開発の帳票エンジンはクライアントサイド(ブラウザ上)で動作するので、サーバーサイドの技術に依存することなくWebアプリケーションに帳票出力機能が組み込めます。

.NET版のActiveReportsとの違いは?

.NET版のActiveReportsでも帳票Webアプリケーションを開発できますが、大きな違いは帳票の生成を担う「帳票エンジン」です。

.NET版のActiveReportsの帳票エンジンはサーバー側で動作します。バックエンドとして.NET Frameworkの環境が必要です。当然サーバーのOSはWindowsで、また、使用できるWebサーバーはIISに限られます。

一方ActiveReportsJSの帳票エンジンはクライアント側(ブラウザ上)で動作します。帳票の生成はクライアント側で完結するので、サーバー側の負担が軽減されるほか、フロントエンドの技術だけで手軽に帳票出力機能をアプリケーションに組み込めるという利点もあります。

その他、使用できる機能にも差異がありますが、詳しくは機能の比較表を公開しているので、こちらをご覧ください。

製品・技術資料:ActiveReports for .NETとActiveReportsJSの比較

Windows以外の環境で開発できる?

ActiveReportsJSに付属の帳票デザイナはWindowsだけでなくMacのデスクトップ環境にもインストールできます。

ActiveReportsJSのデザイナはMacでも使えます

ただし、オンライン(ブラウザ上)でレポートファイルを編集する機能はありません。編集作業は必ずデスクトップアプリ上で行う必要があります。

バックエンドに.NETの環境が必要?

前述の通り、帳票エンジンはクライアント側で動作するので、サーバー側は意識しなくてよいです。バックエンドには.NETだけでなく様々な技術を使用することができます。Linuxのサーバーにホストしたり、NginxやApacheを含む任意のWebサーバーを使用したりももちろんOKです。

作成した帳票はどうやって閲覧・印刷する?

マルチブラウザ/デバイスで動作するビューワが付属しています。JavaScriptライブラリとして提供されるので、様々なWebアプリケーションへの組み込みが可能です。

ビューワからは印刷や各種形式へのエクスポートも行えます。また、APIを使用してプレビューなし印刷を行うことも可能です。

ActiveReportsJSのビューワ

縦書きや均等割付など日本語固有の要件に対応できる?

.NET版のActiveReports同様、行間・文字ピッチの指定、均等割付、縦書き、禁則処理、PDFへの外字埋め込み、長体での表示など、日本の帳票に求められる細かな調整を実現する機能が備わっています。

日本仕様の帳票に対応

必要な開発ツールは?

JavaScriptを実行できる開発環境が必要です。Visual StudioやEclipseのような統合開発環境はもちろん、Visual Studio Codeのようなソースコードエディタでも開発可能です。

Visual Studio Codeで開発可能

.NET版のActiveReportsのレポートファイルを使える?

.NET版のActiveReportsのレポートファイル(rdlx形式)を、ActiveReportsJSのデザイナに読み込むと、ActiveReportsJSのレポートファイル(rdlx-json形式)に自動で変換できます。
ただし、セクションレポート(コード形式、XML形式ともに)はデザイナに読み込むことも、変換することもできません。

試すことはできますか?

現在、デモサイトやトライアル版を準備中です。
12月11日の販売開始時にはWebサイトに公開し、お知らせする予定です。もうしばらくお待ちください。

.NET版のActiveReportsは今後どうなる?

今後帳票を出力するWebアプリケーションはすべてActiveReportsJSに移行していった方が良いのかというと、必ずしもそういうわけではありません。.NET版のActiveReportsの次期バージョンの開発も着々と進んでおり、Web系も大幅な機能強化が予定されています。

前述の通り、大きな違いは帳票エンジンなので、お客様の要件にあわせて.NET版、JavaScript版、どちらか最適な方をお選びいただければと思います。

製品サイトにて、「よくある質問」のページを公開しています。本記事で紹介した内容含め、お客様から寄せられた質問をご紹介していますので、製品を選定する際の参考情報としてご活用いただければと思います。

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